群発頭痛

目の奥がえぐられるような、耐えがたい痛みはありませんか?

  • 決まった時期に、片側の目の奥が激しく痛む
  • 夜中や明け方、痛みで目が覚める
  • じっとしていられず、動き回ってしまう
  • 1〜2時間ほどで治まるが、また同じ時刻に襲ってくる
これらの症状をお持ちの方は群発頭痛の可能性があります。

群発頭痛とは

群発頭痛は、片側の目の奥やこめかみに、極めて強い痛みが起こる頭痛です。
「群発」という名のとおり、「発作の集中する期間(群発期)」があり、その間は毎日のように痛みが襲ってきます。数週間から数か月続いたのち、いったん収まり、しばらく発作のない時期が訪れます。
患者数は多くありませんが、痛みの強さは頭痛のなかでも群を抜いています。

こんな特徴があります

痛む場所 片側の目の奥、目の周り、こめかみ。毎回同じ側であることが多い
痛みの強さ 極めて強い。「えぐられる」「錐で刺される」と表現される
続く時間 15分〜3時間程度
起こる頻度 1日に1回〜数回。群発期には毎日のように繰り返す
起こる時刻 夜間から明け方に多く、ほぼ同じ時刻に起こる傾向
発作中の様子 じっとしていられず、動き回ったり、頭を押さえたりする

痛みが出る側に現れる症状

群発頭痛では、痛む側にこうした変化が伴います。
  • 目が充血する、涙が出る
  • 鼻が詰まる、鼻水が出る
  • まぶたが下がる、腫れぼったくなる
  • 額や顔に汗をかく
頭痛のときに、いつも片側だけ涙や鼻水が出る、これは診断の大きな手がかりになります。

飲酒で誘発されます

群発期の間は、少量の飲酒でも発作が誘発されることが知られています。
「お酒を飲むと必ず頭が痛くなる時期がある」という方は、この頭痛の可能性があります。

誤解されやすい頭痛です

群発頭痛の患者さんは、正しい診断にたどり着くまでに時間がかかることが少なくありません。

よくある経過

  • 目の奥が痛いため、眼科を受診した
  • 鼻詰まりを伴うため、耳鼻科で副鼻腔炎を疑われた
  • 歯や顎の痛みと感じ、歯科にかかった
  • 「片頭痛でしょう」と言われ、市販薬で様子を見ていた
いずれも自然な流れです。症状の出かたを考えれば、そう判断されるのも無理はありません。

片頭痛との違い

群発頭痛 片頭痛
痛む場所 目の奥、片側で固定 片側が多いが、左右が入れ替わることも
持続時間 15分〜3時間 4時間〜72時間
発作中の行動 じっとしていられない 暗い部屋で動かずにいたい
涙・鼻水・充血 痛む側に伴う 通常なし
起こる時間帯 夜間〜明け方に多い 特定の傾向は乏しい
飲酒 群発期は確実に誘発 人による
この中で、「じっとしていられるかどうか」は分かりやすい違いです。片頭痛では動くと 悪化するため横になりますが、群発頭痛では痛みで落ち着かず動き回ります。

なぜ起こるのでしょうか

まだ完全には解明されていません。ただし、発作が決まった時刻に起こること、群発期が季節性を持つことがあることから、体内時計をつかさどる視床下部のはたらきが関わっていると考えられています。そこに三叉神経と自律神経のはたらきが加わり、目の奥の痛みと、涙や鼻水といった症状が同時に現れる、そうしたしくみが想定されています。

群発頭痛の治療

群発頭痛は痛みが強い一方で、発作に対して有効な手立てが確立している頭痛です。市販の痛み止めではほとんど効きませんが、それは「効く薬がない」という意味ではありません。

発作が起きたとき

注射のお薬

発作時に用いる注射のお薬があります。効果の発現が速く、ご自身で行っていただく形での使用も可能です。

酸素を吸入する方法(在宅酸素療法)

マスクから高い濃度の酸素を吸入することで、発作をやわらげる方法です。
これは群発頭痛に対して保険適用が認められており、ガイドラインでも強く推奨されています。ご自宅に酸素の機器を設置し、発作時にご自身で使用していただく形になります。
「頭痛に酸素?」と意外に思われるかもしれません。しかし、この頭痛に対しては確立した治療法です。
飲み薬では間に合わない、注射が使いにくい、といった方にとって重要な選択肢になります。

群発期を乗り切るために

発作を抑えるだけでなく、群発期のあいだ、発作そのものを起こりにくくするお薬もあります。
群発期は数週間から数か月続きます。この期間をどう過ごすかで、生活への影響は大きく変わります。

群発期の過ごし方

  • 禁酒:群発期のあいだは、飲酒を控えてください。発作を確実に誘発します。
  • 睡眠のリズムを保つ:睡眠の乱れが発作の引き金になることがあります。
  • 記録をつける:発作の時刻を記録すると、備え方を組み立てやすくなります。

受診をお考えの方へ

群発期の最中に受診されるのが理想です。
症状がはっきりしている時期のほうが診断がつきやすく、またすぐに治療を始められます。
「発作が治まってから行こう」と考えているうちに群発期が終わり、次の群発期にまた同じ思いをする、という繰り返しになりやすい頭痛です。痛みのある今こそ、ご相談ください。
病気の早期発見・予防に定期的なMRI検査をおすすめします。
頭痛、めまいなど症状のある方は、保険適用でのMRI検査が可能です。
▲